コラム

Vol.5 男性型脱毛症とプロペシア

男性型脱毛症イメージ

髪の毛が薄くなるのにはさまざまな原因があります。カビのせいで抜けてくるもの、湿疹がひどくなり抜けやすくなっている場合、膠原病や内分泌の異常で起こる脱毛症。これらの脱毛はもとの病気が良くなれば軽快するため、原疾患の治療が大切になります。

しかし脱毛症で一番多いのは「気にしている」方が国内で800万人もいるといわれるいわゆる男性型脱毛症ではないでしょうか。遺伝傾向もあり早ければ20代から始まりますがやはり30代、40代から目立ってくるようです。頭のてっぺんあたりや前頭部のそりこみ部分から徐々に薄くなってきて年々進行していきます。

平均寿命が伸び、若くありたいと願う方が増えてアンチエイジング(若返り)への関心が高まってきているために皮膚科外来でも男性型脱毛症のご相談は少なくありません。今までにもミノキシジルなどの外用剤が発売されてきましたが、今回、飲み薬である「プロペシア」が登場し、欧米では高い評価(90%で抜け毛の進行抑制・改善効果)が得られています。

この薬は男性ホルモンであるテストステロンからジヒドロテストステロン(抜け毛の原因物質)へ変換する酵素を阻害することにより抜け毛の進行を抑え、髪の毛の本数を増やす作用があります。

有効な症例では1日1回の内服を6ヶ月続けたあたりで効果があらわれ始めます。「薄くなってきたな」と気付いてからの期間が短いほど、つまりあまり進行していないほうが効き目がいいようです。

男性型脱毛症以外の脱毛症には無効であるため、まずは皮膚科医による診断が重要です。どうぞお気軽にご相談下さい。

※この治療薬は保険がききません。